男子高校生が数学の勉強に苦戦しているイラスト

【勉強の相談室】高校の数学が苦手!どうしたら克服できる?/第2回

atama+ EdTech研究所 所長の森本が皆さんのお悩みに答える連載。本日はこの春に高校に進学した高校1年生からの相談です。

Q. 数学の苦手を克服するにはどうしたらよいでしょうか?

はじめまして。私はこの春、高校に進学した1年生です。
中学まではあまり苦手な教科はなかったのですが、高校に入ってから数学で分からないことが増え、定期テストでは今まで取ったことがない点数を取ってしまいました。

将来は理系に進学することも考えており、数学が少し不安です。
どのようにすればよいか、アドバイスをいただきたいです。
よろしくお願いします。
【公立高校1年/男性】

A. 焦らず、基礎の復習をしていきましょう!

高校の数学、難しいですよね。高校に入ると扱う内容も複雑になりますし、進度も早くなります。
でも焦る必要はありません。
実は結構多くの人が、中学範囲の数学につまずきを抱えたまま高校に進学していますし、きちんと基礎を固めていくことで苦手が克服されていきます。

高1生の3人に2人が中学範囲につまずき

高校数学の理解には、中学範囲の確実な理解が重要です。
高校の最初に習うことが多い「数学I」の「数と式」の内容には、「式の展開」や「因数分解」が含まれます。この範囲の理解には中学範囲の「多項式の計算」や「因数分解」の理解が欠かせないのです。
ところが、AI教材「atama+」のデータによると、高1生の3人に2人は中学範囲の講義動画を視聴していることから、中学範囲につまずきを抱えたまま高校に進学していたり、忘れてしまっていたりする実態がうかがえます。

中学以前の範囲につまづきを抱える高1生の割合のグラフ。高校1年生の66%が中学以前の範囲の講義動画を視聴している。
中学以前の範囲につまづきを抱える高1生の割合
出典:atama+EdTech研究所 学習データレポート第4回

苦手な範囲の着実な復習を

数学は積み重ねの教科なので基礎を確実に身に着けていくことで、今後習う内容も理解しやすくなります。
自分が苦手としていたり、忘れてしまった範囲をピンポイントで学習できると効率的ですが、多くの高1生が苦手としている中学範囲の内容をデータで分析しましたので、参考にしてみてください。

高1生が苦手とする中学数学の内容ワースト3。1位、正負の数の四則の混じった計算。単元は「数の四則と範囲」。2位、平方根。単元は「有理数・無理数」。3位、2次方程式の解き方。単元は「平方根を利用した2時方程式の解き方」。
高1生が苦手とする中学数学の内容ワースト3

<div class="gray-panel border">
<strong>調査概要</strong>
<p><strong>グラフ</strong></p>
<ul>
<li>対象期間:2021/4/1~2022/1/31</li>
<li>調査対象:atama+高校数学を学習した高1生のユーザー約10,000人を抽出。</li>
<li>調査手法:中学数学・小学算数の単元の「講義動画」視聴を「つまずき」ありと定義。総学習時間を高校数学、中学数学、小学算数に分けて集計。</li>
<li>備考:講義動画は、atama+の教材コンテンツの一つで、生徒が「つまずきを抱えている」単元でおすすめされる。</li>
</ul>
<p><strong>ワーストランキング</strong></p>
<ul>
<li>対象期間:2021/4/1~2022/3/30</li>
<li>調査手法:該当期間に高1の生徒が動画を視聴した中学範囲の数学単元のうち、学習した人数が多い上位3単元の単元グループ名と単元名を抽出。</li>
</ul>
</div>

企画
森本典生のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 所長
森本 典生(もりもと のりお)
東北大学経済学部経営学科卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。
教師、講師、生徒、保護者への研修や講演は延べ2000回以上。科学的な「伸びる」学習方法やEd Techの価値について研究全般を統括。
監修
内藤純のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 データサイエンティスト
内藤 純(ないとう じゅん)
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻卒業後、データサイエンティストとして様々な領域の分析及びAI開発に従事。
ビッグデータを用いて、様々な角度から学びの実態を研究。
執筆
池田真一郎のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 主任研究員
池田 真一郎(いけだ しんいちろう)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに入社。社会人向け教育プログラムの開発・法人向け営業および、事業企画に従事。
ビッグデータの分析・研究を通じて、より良い学びについて発信中。
資料のアイコン
mcv04_following
カレンダーのアイコン
mcv03_following