部活か勉強かの選択を迫られている女子高校生のイラスト

【勉強の相談室】「部活」と「勉強」を両立したい/第1回

atama+ EdTech研究所 所長の森本が皆さんのお悩みに答える連載。本日は部活を頑張っている高校2年生からの相談です。

Q. 週6日の部活と勉強を両立するコツを教えてください

こんにちは。
私は公立高校に通う高校2年生です。吹奏楽部に所属しており、週6日ほどトランペットの練習に励んでいます。

部活がハードであまり勉強時間をとることができておらず、徐々に成績が下がってきてしまいました。最近授業でも分からないところが増えてきたと感じています。

大好きな吹奏楽をやりたいですし、そろそろ来年の受験も見据えて勉強もやらないといけないと感じています。どのようにすれば部活と勉強を両立できるか、アドバイスをお願いします。
【公立高校2年/女性】

A. 忙しい人ほど、できるだけ毎日勉強しよう!

限られた時間の高校生活、部活と勉強どちらも頑張りたいですよね!そのためには、時間を効率的に使うことが大切ですが、それはちょっとした工夫でできます。本日は、AI教材「atama+」の学習データを用いた科学的な調査による2つのコツをお伝えします。

1日30分でも、毎日勉強しよう

大好きな部活動でもずっと長時間やっていると疲れてしまいますよね。実は、同じ学習時間の生徒で比較すると、学習日数が多く、1日あたりの学習時間が短い方が効率的に学習している傾向が明らかになっています。新しいことをマスターするには、それなりの学習時間が必要なことには変わりありません。ですが、総学習時間を短くするためには、学習する日を増やしてこまめに学習することが大切です。

グラフ1。同じ学習時間の生徒の学習日数の比較グラフ。最も学習効率が低い生徒は39日に対して、順に45日、53、59日、最も効率が高い生徒は67日。
同じ学習時間の生徒の学習日数の比較
出典:atama+ EdTech研究所 学習データレポート第11回

休憩を取ることで効率が20%アップ!

1日の中でも学習時間が長くなったときや集中力が切れてきたなと感じるときは、休憩を取ることをおすすめします。atama+の学習データを分析してみると、1日のログイン回数が増えるごとに、学習効率が高まることが明らかになっています。このことから、疲れたタイミングで(ログアウトして)休憩した後、(再度ログインして)学習することで学習効率が高められることが示唆されます。なお、ログイン回数が多くなるほど学習効率は高まります。上昇幅が最も大きいのはログイン回数が2回であることから、1回目の休憩が最も学習効率を高めることにつながり、その差分は約20%ptと推察されます。
ちょっとしたコツで時間を有効に使えるようになるので、ぜひ休憩も意識してみてくださいね。

グラフ2。1日のログイン回数別 学習効率グラフ。ログイン回数1日1回の学習効率を100%とした時に、2回ログインで119%、3回ログインで129%、4回ログインで136%、5回ログインで139%。
1日のログイン回数別 学習効率
(ログイン回数1回を基準(100%)としている)
出典:atama+ EdTech研究所 学習データレポート第16回

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<strong>調査概要</strong>
<p><strong>グラフ1</strong></p>
<p>定義:</p>
<ul>
<li>学習効率:1時間当たりの合格単元数</li>
</ul>
<p>抽出条件:</p>
<ul>
<li>対象学年:中学生・高校生</li>
<li>対象教科:数学・英語</li>
<li>学習時間:教科の学習時間が2,000~2,500分の生徒・教科</li>
<li>対象人数:ランダムに5,000件抽出</li>
</ul>
<p><strong>グラフ2</strong></p>
<p>定義:</p>
<ul>
<li>学習効率:1時間当たりの合格単元数</li>
<li>休憩回数:1日のログイン回数が2回以上の場合、休憩したものとみなす</li>
</ul>
<p>抽出条件:</p>
<ul>
<li>対象学年:中学生</li>
<li>対象教科:全教科</li>
<li>学習時間:1日の学習時間が90-100分の日のみを抽出</li>
<li>対象人数:ランダムに100,000件の生徒×日次学習データを抽出</li>
</ul>
<p>集計方法:</p>
<ul>
<li>休憩回数別に学習効率の平均値を調査</li>
<li>ログイン回数1回(=休憩なし)の学習効率に対する比率を計算し表示</li>
</ul>
</div>

企画
森本典生のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 所長
森本 典生(もりもと のりお)
東北大学経済学部経営学科卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。
教師、講師、生徒、保護者への研修や講演は延べ2000回以上。科学的な「伸びる」学習方法やEd Techの価値について研究全般を統括。
監修
内藤純のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 データサイエンティスト
内藤 純(ないとう じゅん)
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻卒業後、データサイエンティストとして様々な領域の分析及びAI開発に従事。
ビッグデータを用いて、様々な角度から学びの実態を研究。
執筆
池田真一郎のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 主任研究員
池田 真一郎(いけだ しんいちろう)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに入社。社会人向け教育プログラムの開発・法人向け営業および、事業企画に従事。
ビッグデータの分析・研究を通じて、より良い学びについて発信中。
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