atama+ EdTech研究所の研究結果をもとに、皆さんの勉強のお悩みに答える連載「勉強の相談室」。本日はテスト勉強に悩む高校1年生からの相談です。
Q.テスト前、直前に詰め込み勉強をするのはダメなのでしょうか?
こんにちは。テスト勉強について質問があります。テスト前は、早めに勉強すると勉強した内容を忘れてしまうので、できるだけ直前に勉強しようとしています。でも、親から「直前の一夜漬けは良くないよ」と言われました。直前に詰め込んで勉強するのはよくないのでしょうか?
【公立高校1年/男性】
A. ダメではありません。しかし、同じ量を勉強するなら「短い時間×複数日」のほうが効率は上がります
定期テストは範囲が広いので、まとめて学習する形になりがちですよね。しかしデータを確認してみたところ、「同じ学習時間をかけるなら、短い時間で複数日に分けて勉強したほうが効率が良くなる」ことが明らかになりました。
<調査データ1>長時間勉強すると、時間あたりの成果が下がる
学習時間を増やせば、学べる量が増えるのは確かです。しかし、学習時間が2倍になっても、成果が2倍になるわけではありません。
たとえば中学生の学習データでは、
- 1日30~40分学習した場合:1.5単元習得
- 1日60~70分学習した場合:2.0単元習得
といった傾向が見られます。学習時間はほぼ2倍なのに、成果は約1.5倍にとどまっており、時間あたりの効率が下がっていることが分かりますね。

つまり、「たくさん時間をかければ進むが、時間あたりの効率は落ちやすい」ということです。
「テストまでにこの範囲を終わらせたい」といった目標が決まっているなら、学習内容を複数日に分散させるほうが効果的です。短時間でもこまめに机に向かうことで、脳の集中力が保ちやすく、結果として無駄なく成果につながります。
<調査データ2>やむを得ず一夜漬けするなら、文系科目がおすすめ
「長時間まとめて勉強すると効率が下がる」とはいえ、状況によっては長時間勉強せざるを得ないこともありますよね。そんなときは、どの教科をまとめて勉強するかを工夫しましょう。どの教科でも、学習時間が長くなるほど効率が下がる傾向があります。しかし、その下がり方には教科ごとに大きな違いがあります。特に理系科目(数学・理科)は、80〜90分といった長時間学習になると大きく効率が低下し、集中力が途切れやすいことが分かっています。
一方で、文系科目(特に社会)は、他の教科と比べると効率が落ちにくいことが分かります。長時間の学習でも、比較的ペースを維持しやすいと考えられます。

出典:学習効率の実態 教科別の学習効率編|atama+ Edtech研究所
以上の傾向から、どうしても長時間まとめて勉強する必要があるなら、社会や英語といった“効率の落ちにくい科目”を中心に取り組むのがおすすめです。
集中力が必要な理系科目はできるだけ「短時間・分散型」の学習に回し、文系科目を「まとめて学習」に充てることで、より効率的にテスト対策を進めることができます。
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